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354号(2024年9月25日発行) 点字で【六星会福祉センタークラス】




 


令和6年度点字指導員講習会の報告

I.Y、S.Y

  9月19日(木)Zoomで参加しました。全国から受講者178名。

講義1「改訂版点訳問題集活用のポイント」佐賀さが善司ぜんじ氏(作成プロジェクトメンバー)
  先生はご自分を点字ネイティブ、点字は書き言葉の第1言語と仰っています。耳から入ってくる単語を点字と結びつけ、思考につなげている。大谷翔平がいるチームはロジャーズ?ドジャース?ウィシュマさんの名前はリシュマ?イシュマ?新しい言葉は音からでは聞き取れないので、点字で文字の確認ができる「点字JBニュース」が一役買っている。
  講義は編集に携わってこられた裏話。私たちが普段の点訳・校正で迷い悩むことと同じでした。
●「J-pop」が解答では外国語引用符だが点訳ナビゲーターでは外字符になっている。→ 「J-pop」がすでにひとつの言葉として編集者の間でも違和感がなかった、ナビゲーターの出来た時期はだいぶ前であるという理由で解答は外国語引用符にした。(ハイフンでなくアンダーバーで検索しないと出てきません)
●点字使用者である先生が、てびきには書けない匙加減として挙げられたこと〜
・説明のカッコを行頭へ移すことは、“手打ちの時代にはやっていた”ので移しても問題ない。
・「こだわりの一品」は「逸品」があるから数符にしたい。
・記号類のカッコは2・3・5・6の点すべてを使うので手が止まる感触、カギの方は3・6の点がさり気なく付いているので流して読める。
〜点訳者は心に留めておきたいことです。

講義2「専門点訳への誘い―数学・情報処理から触図」加藤かとう俊和としかず氏(日本点字委員会委員)
資料は、数学・物理・化学・情報・触図(地理・生物なども)・英語・楽譜について8ページにわたっています。(これだけの広い分野に精通していらっしゃる先生が居られるとは!)欧米の点訳・音訳のボランティアはコンピュータの発達した80年代に“絶滅”、日本には多くの点訳者・音訳者が存在している世界でも唯一の国。でも日本もすでに“絶滅危惧種”、自動点訳が進んでいるものの専門点訳には「人の手」が必要、「表現の理解」が必要。数式のa.と化学式のH.の違い、情報処理記号と数式でも要注意。長い数式の行移しでは、×でなく+でという場合も(これは中学生レベルでも理解できますね)。楽譜では「楽譜の内容を読み取る知識」が不可欠、外国語は「表現の知識」は必要だけれども語学力が必須ではないそうで。 専門点訳の道を考えるきっかけになるでしょうか?
図表については詳しい説明がありました。まずは文章化での対応、「特徴を捉えた分かりやすい文章に」。化学の構造式の例では、知識があると無しでは説明が違ってしまうと。 講師が強調されたのは「視覚では全体を瞬時に理解できるが触図は細切れ情報である」「手のひらで全体を触ることも出来るけれど実際に線を辿るときは指先だけ、触った情報を記憶して積み上げて全体をつかむ」「欠かすことができない重要な情報を選択することが大切」と いうことでした。




今月の活動報告

打ち出し関係
  • 図書館情報428・429号 8部
  • ぽけっと9月号 8部
  • ぷらざ通信9月号 8部
  • エンジョイ北区10・11月号 11部
  • きたふくし180号 12部
  • 飛鳥山博物館カレンダー秋号 7部
  • 個人依頼(料理レシピ) 1件
  • 会報(六星会だより)353号 14部

活動
  • 図書館活動区民の会 役員会7日、ユニバーサル部会8日
  • バリアフリー映画界手伝い 8日
  • 点訳者養成初心者講座手伝い 4・11・18・25日
  • 点字指導員講習会(Zoom) 19日

  • 自販機タックシール貼り直し:滝野川会館、北とぴあ、北療育園  



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