第13回北区内田康夫ミステリー文学賞 大賞受賞作 | |
題 名 | 二番札 |
著 者 | 南大沢 健 |
掲 載 | 月刊ジェイ・ノベル(実業之日本社) |
点訳巻数 | 全1巻 |
点訳完成 | 2015年9月 |
納品先 | 中央図書館 |
あらすじ | 県の財務部経理課長である野間のもとに、 入札予定の工事に関する談合の告発状が届く。 職員の情報漏洩が疑われ、野間が調査して いく中で、 課内の永井加代子が難病の弟の ために、禁止されている アルバイトをしていた事実が発覚。 結局、情報漏洩疑惑の結論は出ず、入札は 予定通り行われたが、 一番札を入れた業者は、なぜか落札することができなかった。 |
点訳者コメント | <T.E>
「公共事業をめぐる談合」情報、役所内での人間関係・入札の方法を絡ませ物語は展開します。 最後はホンワカした終わり方ですが、世の中そんなに甘くはないよ!と思いつつ・・・ |
内田康夫さんの講評 |
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過去十二回、これほど読み手を惑わし、悩ませた最終選考は記憶にない。一作品の評価が、すべての賞のありようを定めることになる。慎重に二度、三度と作品を読み返し、最初に感じた印象が正しいのかどうかの検討に時間を割いた。圧倒的な秀作がなかった分、どの作品にも可能性を感じた。
この作品で興味を惹かれたのは、入札というシステムがどのように行われるのか――という部分。企画部長、財務部長、総務部長等々、入札業務に関わる人々の動きが面白く読めた。しかし行政が主催している文学賞に、公務員が罪を犯す作品で挑むとは、なかなかの度胸であり、案の定、区の職員からは、あまり現実的な話ではないとの指摘もあった。それでも、最終候補五作品の中で、完成度からいって最も安定しており、区長を始め選考委員諸氏もあくまでフィクションとして読めば、うまくまとまっており面白く読めた――と度量の大きさを見せ、大賞授賞となった。 |
「月刊ジェイ・ノベル 2015年4月号」(実業之日本社)より抜粋 |
〜公式サイトより〜 |
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