ゆっくりでいいじゃない、自分らしく生きよう。
『研修医 純情物語 先生と呼ばないで』著書の第2作。
勉強がキライな、ふつうの小学生の”ぼく”後藤シゲル。
ふつうのようで、ふつうでないかもしれない、おじさん。
大好きなおじさんが見ていた、おかしくて、ちょっぴりほろにがい”ぼく”の9年間。
「おじさんは、どんな中学生だったん?」
ぼくはおじさんにきいた。そんなことをきいたのは、はじめてのことだった。
いつのまにかモトクロスの練習は終わっていて、きこえるのは、絶え間ない川の流れの音だけだった。
「そうねぇ、タツオ君ほどじゃないけど、デブだったし、運動神経もニブかったな。
でもキホン的には、いまとあんまり変わらないと思うよ。
気が小さくて、ちょっとドジで……。どこにいるのかわかんないような、サエない中学生だったね」
「なんか、ほかの子たちとちがうとこは、あったん?」
「そうね……しいていえば、毎日いじめられてたことくらいかな」
「――なんだそれ? そんな答え、ぜんぜん期待してなかったよ。」
(「第7章 おじさんが中学生だったころ」より)
題 名 | ぼくのおじさん |
監修他 | 川渕 圭一 |
出版社 | 講談社 |
点訳巻数 | 全2巻 |
点訳完成 | 2006年10月 |
納品先 | 筑波大学附属盲学校 ないーぶネット登録済み |
点訳者コメント | <T.S> 目的もなく過ごす僕に、ボクのおじさんは何か一つ好きな事を見つけ努力するよう勧める。 今まで僕の事を優しく見守ってくれていたおじさんの言葉に僕の心は動く。 ユニークなおじさんと5人の兄弟の日々を綴ったお話です。 |
Copyright (C) 点訳サークル六星会(福祉センタークラス)All rights reserved